TAKST の雑念所

週2は何かを書くということを目的に、思いついたことを何か書きます。

"ChatGPT 対応" という面白用語

流行りに若干乗り遅れましたが、ChatGPT がバズってます。猫も杓子も ChatGPT。直近ではナーフされてしまいましたが、新しい Bing chat にはかなりの可能性を感じました。 fine tuning 必須でしょうけど、"解決しがいのある問題"、あるいは "問題を解決さえすればすさまじい価値を生む" ことを納得させた、という意味では非常に大きなマイルストーンになるでしょう。初代 iPhone が 3G 対応もしていなければ、アプリの対応もしていなくて、素晴らしい可能性はあるものの粗削りだった、という話と同じです。

 

で、本題の方、"ChatGPT 対応" という言葉が面白くてしょうがないので、書いておこうと思います。国内外問わず、最先端のバズに乗っかるべく、様々なサービスが ChatGPT 対応しました!というアナウンスをしています。しかし、これ、おかしいんですよ。何をどう対応したんですかね? ChatGPTは現状、OpenAI 社が GPT3.5 モデルをベースにして提供している SaaS であって、API の公開もしていなければ、連携する機能なんてないはずなんです。対応するとなると、Web request 投げてテキストのリターンを基に処理するようなパターン?ちょっと無理が有りますよね。多分、厳密には公開済の GPT-3 text-davinci-003 を使ったりしてるんでしょうけど、流行りに乗っかるためとはいえ、あまりに適当過ぎやしませんかね。"ChatGPT 対応しました!" という発言がマーケ先行で中身分かってないです!宣言と等価になっているので、生暖かく市場動向を見守ろうと思います。

 

ちなみに、Generative AI 自体の話。一部では結局使えないだとか、真の知性ではないとか、新しいテクノロジーを否定するときにありがちな、細部を拾ってダメ出しをする層も確認されていますが、これまた本質を見落としてます。去年から流行っている Stable Diffusion にしても、今回の OpenAI にしても、"どんなことでも" x "それっぽく" 処理できる、というのが重要で、すごいことだと個人的には思います。超最新の情報や、超専門的な内容に対応できないのは仕方がないでしょう。だって、そんな学習データないんだし。世の中の人間も、そんなものをカバーできるのは現場か最先端のごく一握りの当事者だけです。なんにでも 80点の回答ができる、というのが凄いことでもあり、そういうもんだということを理解する必要がある、ということでもあります。なんにでもそれっぽいことを即時返してくれる。それをそのまま鵜呑みにするのか、その先、80点の情報からあたりをつけて 95点や100点まで突き詰めるところまで人間が自身で作業をするのか、は目的と使う人次第でしょう。このテクノロジーはもう世の中に解き放たれてしまいました。使われて振り回される側にもならず、斜に構えて馬鹿にする立場にもならず、ちゃんと正しく使える人間になりたいもんですね。