TAKST の雑念所

週2は何かを書くということを目的に、思いついたことを何か書きます。

専制的な体制には多くの問題があるが民主的な体制も問題がないわけではないんじゃないか問題

  • 現状のロシアを引き合いに出すまでもなく、過ぎた専制体制は独裁になり、望ましくない結果をもたらした事例は枚挙にいとまがない。
  • 他方で過ぎた民主体制も過平等・悪平等を産んだりリスクを取ることを避ける結果になり停滞をもたらす事例もこれまた多数ある
  • 結局バランスだよねという元も子もない結論になるが、これは極めて難しい問題なんじゃなかろうか

ということで久しぶりに思い付きネタで雑に書いていこうと思う。言いたいことは箇条書きで言い切ったのでその補足をダラダラと書いていく。

現状のプーチンだかプトラーだかよく分からない戦時情報統制状態で叩かれているロシアを例にするまでもなく、専制体制を維持し続けようとすると独裁体制に至り、悲劇的な結果をもたらした例は大小たくさん思い浮かびますよね、と。ただ、これまた難しいのがすべてのことが終わった後で事後に評価するとネガティブな評価になるわけですが、各事例の独裁体制トップの方々も、それが実務力なのか政治力なのかはさておき、なんらかの能力が秀でていて、結果を残し、周囲の人間に評価されないとトップに立った上で専制体制を作るには至らないはずで、何か良い結果をもたらしていた時期はあったはずなんですよね。(世襲制でダメな世代に引き継がせてしまった場合は前世代までの良かった状態を評価する、ということで。) 別に過去・現在のやらかした、ないしはやらかしている独裁者を擁護するつもりは毛頭ないんですが、専制体制は否定されるべきもの、と単純評価してしまうのは思考が浅いんじゃないかなぁ、という問題提起です。

単純理論でいくと専制体制は打破すべきもので民主体制こそ至高、共産体制もダメだったしね、という話になるんですが、民主体制もダメなところあるよねぇ、ということが言いたい。今の日本社会って色々と問題はありますが、理想的な理屈に則った社会だと思うのです。完璧とは言いませんし、むしろ理想的な理屈で押し通そうとした結果、色々な理屈がぶつかって問題が噴出して袋小路に入っている、というのがより具体的な説明でしょうか。具体的に言うと、「老人や病人は手厚くケアすべき」、「既得権益は許さず社会に還元すべき」、「政治家や経営者は世襲ではなく民主的に選出すべき」、「高所得者から徴税して低所得者に還元すべき」、「企業淘汰は望ましくないので救済措置を設けるべき」等々。どれも理想論としては正しいです。それらが理想に沿って実施されているが故に、日本社会の安定性は高く、治安も良い。ただし、その分、閉塞感も強い状況なってしまっているなぁ、と。

社会全体ではなく企業活動に視点を移しても同じことが言えるんじゃないかなーという気がしておりまして、別に財閥主体で世襲制統治が正しいと思っているわけでもないのですが、各企業で社内の生え抜きを役員や社長に格上げしていく体制は、一見、自社のビジネスや歴史、人間関係を把握しているという正しく理想的なやり口に見えて、任期が3-5年、長くても7年ほどで、新しい挑戦や開拓も許容されないし、そもそも正しいチャレンジや失敗の仕方を知らないサラリーマン社長を増産してるんじゃなかな、と。帝王学なんて言葉は最早死語になっているように思いますが、やはり経営は経営というスキル、社長は社長というスキルが必要で、社内の特例領域でどれだけ傑出した業績を出そうとも、企業のトップとして胆力と実行力を持った仕事ができるかどうかは別だと思うのですよね。その証拠というわけでもないですが、自動車業界の中でのトヨタソフトバンクグループ、楽天グループ、ファーストリテイリング日本電産あたり、創業者社長か創業者一族で経営者としての教育を受けた人がトップの企業が元気なように思ってしまうのです。

もう一つ、蛇足的に付け加えるならば、最近はようやく日本企業らしい日本企業も外資系企業でのトップ経験のある人間や、スタートアップ系からの中途採用も進まりつつあると思いますが、これもちょっと一筋縄ではいかないと思ってます。というのも自分自身が外資系にいるからわかるのですが、外資系日本法人って規模が小さいんですよ。本社側の上まで上がったような、例えば Microsoft の沼本さんみたいな人は別ですが、各社の日本法人のカントリーマネージャーだとかって、率いる人の数は多くて千の桁なので、数万-数十万の人を率いるという経験はないのです。 IT 領域なんかであれば技術的な知見や先進的な領域での経験はあるかもしれませんが。ということで、外資企業の人材を日本企業に入れたとしても、そこから非常に大きな組織を動かして成果を出すというスキルを習得する必要があるので、全員が簡単に結果を出せるとは限らないわけです。悪くはない方向性ですが、短期的・短絡的に結果がでるもんでもないな。と。

ということで結論は、専制体制・独裁状態も望ましくないけど、民主体制も必ずしも最高じゃないよね、ということ。うまいことそのバランスを取ることが大事なんだけど、それがまた一番難しいところだよなぁ、という毒にも薬にもならない結論で終えようと思います。幹部教育という言葉が正しいかどうか分からんですが、経営者あるいはビジネス責任者としての経験とスキルを積むというキャリアパスを作って、そこで胆力と実行力を持った人を増やしていける状態にならないと、今の低迷する日本企業のサラリーマン社長ワールドは袋小路から抜け出すことはないんじゃないかな。

GAFA 評シリーズ4 - Apple の強みはコアOSが一つであることしかない

好評か不評かもよく分からん勝手な GAFA 評シリーズです。ついに4つ目の Apple へ。まずはいつもの3行。

はい。ではいきませう。もう誰も疑問を呈さないと思いますが、Appleプラットフォーマーとしての地位は確立していますが、革新をもたらす企業ではなくなってます。M1? CPU なんて果てしない性能拡張競争でしかないので、コアアーキテクチャから実装してるわけでもないですし、特筆に値するものではないです。プロセッサー関連の技術者の流出も多数報道されてますし、性能優位もそんなに長続きしないんじゃないですかね。

強いて言うなら、ARM アーキテクチャに変更しても OS とその上のアプリケーションの稼働もちゃんと担保できているところはすごいかなーとは。Windows on ARM がいつまでたっても立ち上がらない Microsoft とは大違い。とはいえ、これは iPhone / iPad の ARM ベースのデバイスプラットフォームがあることが大きいだろうなぁ、と。MS は Windows Mobile 撤退以降、ARM にそこまでコミットしているように見えないですし。Apple のビジネスは iPhone/Mac/iPad なわけですが、これらはすべて NeXTSTEP から発展したシングルソースコード起因の製品で、かつ、ハードウェア生産もファブレスで実現しているので、極めて効率的にビジネスを実現するなぁ、とは思います。ただ、あくまでビジネスの拡大がそこまでで留まっているので、iPod - iTunes Store を生み出したような創造性は失われてるな、と。AirPods しかり、直近の新製品で売れてるものって、結局、iPhone/iPad/Mac の周辺の何かでしかなく、広がりが見えないものばかり。

iCloud も何がしたいか分からない状態のまま、もはや存在すら怪しい感があります。iPhone の成功で社内のパワーバランスがおかしくなってるんじゃないかなーと妄想したりもしますが、新しいソースコードをベースにした製品・サービスが出てこなくなって久しい、これはティム・クック体制になる以前から数えて長い期間になっているので、状況は深刻なんだろうな、と。横を見てみれば、Google は Search / Android / Chrome でそれぞれ違うコードをベースにした製品群を持ってます。効率性という意味では Apple は非常に効率的なんですが、あまりに他を持たなすぎるのがリスク、というよりは出てこない状況の問題の根が深いので、そこが今後の根本的なリスクになるんだろうな、と。Apple の OS 以外の輝いていたプロダクトって 2002年リリースの WebKit まで遡っちゃうんじゃないですかね。20年経過。Apple の明日はただの携帯屋さんで終わってしまうのか...?

GAFA 評シリーズ3 - Meta/Facebook は ID 基盤になれるのか

ただいま(2回目)。いやー。本当にすみません。定期的に多忙の波はやってくるのですが、こんな短期間で次の波が来るとは...。さて、続き行きましょう。GAFA の3つ目。Facebook / Meta です。まずはいつもの3行。

  • メタバースの一番の本質は単一化された認証基盤にある。2nd life じみたVR空間・メタ空間は派手なだけで意味がない。
  • 認証基盤/IDaaS において、一般消費者領域で一番、その位置に近いのは Facebook である。
  • 統一化された認証基盤は公共性が非常に高いものになり、営利企業が持つこととその目的と価値が相反する。営利企業としての Meta/Facebook では実現は不可能。

主に残念な方向で驚異的な伸びを見せているメタバースというバズワード。よく夢物語で語られるメタバースの実際の形としては FF14 が一番近いんじゃね?という話も以前書きました。が、商用利用的な VR空間としてのメタバースメタバースの概念において一番の核になる価値じゃないと思ってます。ユニバースに対するメタバース。オンライン空間で個人を確立することで、単一IDですべてを利用できるようにする、というところが一番革新的なところで、おいしいところです。この単一 ID の利用が VR 空間じゃないといけないなんてことはないわけで、普通の Web サイトでの認証、オンラインショッピング、オフラインの会員登録や保険証との連動等までできれば利便性が上がって嬉しいよね、というところが一番のミソなわけです。

こっちが本丸ではあるものの、この本丸を分かりやすく大々的に説明してしまうと、マイナンバー制度に対するプライバシー懸念的な皮を被ったアレルギー反応が多発したものを、更に激化させたものが発生するので、VR空間的なもので目くらましながら進めようとしているんじゃね?というのが個人的な理解。そして個人的に、とくに Meta のような単一営利企業がその基盤になる、という点については、アレルギー的な懸念はまっとうな懸念だと思います。マイナンバーカードは良いと思うんですけどね。国に見られて困ることってなくない? Facebook が全部トラッキングして、そこにトラッキング広告打ったり、個人情報が API 経由で抜き出せるようになってたりするのは嫌だけどさ。

あえて断言すると、Meta / Facebook の未来は明確に暗いと思ってます。少なくとも、一営利企業としては。本格的にメタバースに取り組むのであれば、非営利団体化して、ICANN みたいに裏方に回って整備して、各国政府や複数企業と調整しながら進めないと無理でしょう。営利企業である以上、利益を上げる必要があり、ID基盤になることは短絡的には利益を産みません。ID基盤であることを利益に直結させようとすると、基本的には広告業になり、プライバシー問題や既に顕在化している各種政治的な問題、公益性の問題にぶつかります。Facebook/Instagram/WhatsApp と複数プラットフォームを既に持っているので、せめて、ID 基盤部分は切り出して非営利化、利益は Instagram 側だけで上げるようにするとか、そういう工夫をしないと難しいんじゃないかなーと。

ということで、GA "F" A については以上です。とりあえず、皆様もメタバースの目くらましにはだまされませんように。 

GAFA 評シリーズ2 - Amazon の真価はこれから問われる

ただいま。公私ともに慌ただしい状態が続いていまして、ブログ書く時間が作れませんでした。やっとちょっと余裕でてきたので再開します。記事をシリーズ化しようとして単発で終わるところだった。危ない危ない。

さて、GAFA 評シリーズは第2弾。G "A" FA です。AmazonApple か、どっちなんでしょうね? まぁ、今回はAmazon でいきたいと思います。まずはいつもの3行。

  • Amazon はブラック。スタートアップ特有の感覚がまだ抜けてない。CEO も代替わりして企業の真価が問われるのはこれから。
  • Amazon の強みは "数打てば当たる" を是とする失敗許容文化とエンドユーザー志向
  • Amazon の弱みはエンドユーザー以外を考えないこと

Amazon は 1994年創立の28年目。これは Google でいうところの 2018年、Apple での 2004年 iPod 全盛期で iPod mini を出した年、Microsoft での 2003年 Windows XP の SP1 を出して SP2 の前、Windows Server 2003 が出た年。こう比べると、Google もまだ若いんですな。Apple / Microsoft の同年次を見ればなんとなく想像できる通り、まだまだ創業者の創業時イケイケマインドがまだまだ強く、企業文化がスタートアップ寄り≒所謂ブラック企業に近く、大企業・プラットフォーマーとしての責任感が生まれ始めるか否か、というタイミングです。Amazon はまさにその過渡期にあるなぁ、というのが僕の個人的な感想。Amazon の倉庫従業者はいわずもがな、AWS の中の人達も働き方がシリコンバレースタートアップ的なそれ。まぁ、Amazon は MS と同じシアトルの会社なので、シリコンバレーじゃないんで、あくまで概念的な意味合いですが。現金ベースの給料は少ないが、株価上昇に夢がある、とか、色々な規制や世間の目よりも効率やエンドユーザーのメリットを優先してしまう姿勢とか、人事的な部分にしても、支配的プラットフォーマー企業としては責任感や自身の影響力の考慮が明らかに足りてない部分にしても、まさに過渡期。ぶっちゃけ EC の Amazon.com の代替はそれぞれの国で異なるものの、日本の楽天や中国のアリババ、カナダの Shopify 等があり、絶対的なものではないですし、AWS についても GCP や Azure があるわけで、10年後も支配的な地位に留まれるか否かは現在進行形で進んでいる企業文化の成熟にかかっているといても過言ではないかなーと思います。

Amazon / AWS がなぜ強いか、と言われると一つは数打ちゃ当たるを地で行くところ。これは当たるまで続けられるファイナンス的な体力があるというのと、企業内で失敗しても学びがあれば是とする文化があるからでしょう。同じくファイナンス体力はあって失敗し続けてるのは Google ですが、あちらはあまり失敗を是とできている感がない。ここが2本目の収益の柱を立てることに成功したか否かの大きな原因なような気がします。Fire Phone とか、Dash ボタンとか、どれだけの人が覚えてるだろうか。そして、もう一つの強みは徹底したエンドユーザー志向。従業員とか関係会社とかのことは下手するとお構いなし。エンドユーザーにとってメリットがあるということを徹底する。これはエンドユーザーとしては非常に魅力的になる。Amazon Prime、便利ですよね。Amazon Music は全然使ってないですけど、動画コンテンツ消費ガチ勢ではない僕には ストリーミングサービスは Prime Video で十分です。

ただ、この徹底したエンドユーザー志向は諸刃の剣でして、特に AWS ビジネスにはマイナス要素が強いように思います。というのも B2C ビジネスの EC ビジネスと異なり、B2B ないしは B2B2C ユーザーが主になる AWS というビジネスは、エンドユーザーの絶対数がさほど多くなく、むしろ、エンドユーザー以外の数の方が多くなるからです。エンドユーザーの数が文字通り桁違いの B2C ビジネスにおいては数の暴力で道理を無視した無理を通すことは不可能ではないです。一方の B2B/B2B2C ビジネスでは、エンドユーザーというのはNetflix のような B2C ビジネスを行う企業であって、その絶対数が少ないんです。一方で、AWS ビジネスを成立させるために必要な他社、SIer や 3rd party ISV、OSS プロジェクト、いわゆるパートナーと言われる企業は多く、かつ B2C ビジネスのように力関係が一方的ではない。そのため、EC ビジネスのようにエンドユーザー志向徹底しようとすると、AWS ビジネスでは他社との軋轢が生まれ、かつエンドユーザーからの賛同の声というのも数が多くは産まれないという状態になります。その典型例を2つ挙げると、1つが Elastic との喧嘩。OSS フリーライドでよく衝突してます。喧嘩相手が OSS だけかというとそうでもなくて、仕様策定や共同研究開発を行う類の業界団体・コンソーシアム系への参加も渋いんですよね。もう一つが AWS Outposts。HW も Amazon 製で、管理も Amazon がリモートから実施。これにメリットを感じるユーザーは、Dedicated Host で十分なのでは...。ハイブリッドクラウドやるにしては、HW ベンダーも SIer も敵に回して、自ら敵を作りに行くスタイルにしか見えません。今はまだ先行者利益で太いビジネスになってますが、Microsoft の Azure という強い競合が育ってきてますし、GoogleGCP を諦める気はなさそうです。競合との差がどんどん詰まってきているので、拮抗しだすと自ら作った敵が一気に牙をむいて落ち込む可能性もありそうだなぁ、と思う次第。

いずれにせよ、Amazon は成熟した企業文化に脱皮できるかどうかでどうなるかが決まるだろうと思います。

GAFA 評シリーズ1 - Google (Alphabet) は consumer ビジネスをどう扱うかが分水嶺

外資系IT大手で働いている身で近場で見聞きしている情報からの感触と、日本語であふれている情報とで結構な乖離がある気がするので、思い付きで GAFA の個人評的なことをやってみようかと思う。表記の順番通り、まずは G = Google = Alphabet から。いつも通りまずは3行にまとめてみよう。

  • Google のビジネスは Web 広告依存で健全ではない
  • Google が今後のビジネスをどうしたいかクリアに見えない
  • ごく一部の技術を除いて Google に光るものはない。そしてそのごく一部の大半は OSS 化していたりする

Google(Alphabet) の直近の決算報告はこちら。

GOOG Exhibit 99.1 Q4 2021 (abc.xyz)

大半が Google advterising でよく CM で見る Chrome Book も Pixel もビジネスには寄与していないし、Google Cloud Platform (aka. GCP) も結果は芳しくない。今も変わらず Google は検索広告の会社である。更に言えば、最近の Google 検索は広告と SEO 対策されたもので埋め尽くされており、深い情報や正確な情報は検索演算子 ("" や -、site: 等々) を使わないと調べられないし、リアルタイム性が高い情報は TwitterInstagramTikTok を調べた方が早いという有様になっている。そういえば、最近は以下の記事も話題になってましたね。

Googleの「うちの検索結果はお金では買えない」という古い記事が発掘されて話題に - GIGAZINE

つまりは、Google 検索は顧客誘導をかけたい Google advertising のユーザーのためのプラットフォームになってしまっていて情報を検索して得るという Google 検索そのもののユーザーに最適化されたものにはなってない、ということです。これは非常にまずく、Google 検索自体の価値が下がればユーザーが離れ、広告媒体としての価値が下がるわけで、危惧すべき状態に陥っています。まぁ、Google 検索から単純に取って代われるものがあるかというとそうでもないので、余命はまだ短くはなさそうではありますが。そして、Google 自身もそのことには気が付いているので、広告で稼いだお金をジャブジャブとつぎ込んで他のビジネスを立ち上げることに躍起になってます。それが辟易するほど見せられる Windows PC ディスりの Chrome Book の CM であり、何が言いたいかよくわからない Pixel の CM であるわけですね。GCP の方は commercial business なのでわかりやすい ad は打ってないですが、AWSMicrosoftOracle 等からグローバルで社員を札束を積んで引き抜きまくったり、利用額1年分のクレジットみたいな無茶なオファーでユーザーを捕まえようとしたりしているという情報が聞こえてきます。

とは言っても、予算が決まっていて選択肢がない GIGA スクール案件(小・中学校での PC・タブレット導入) で追い風が吹いた以外では Chrome Book は全然伸びてないです。

9月デスクトップOSシェア、Chrome OSが増加 | TECH+ (mynavi.jp)

いや、というかあの CM、6秒で起動する PC って M2 SSD 載ってれば OS 問わずにそんなもんじゃないですかね? セキュリティ機能も Windows 標準で Windows Defendar 載ってますし、何をターゲットにしているのやら?

Pixelも残念な状態です。アメリカ市場・日本市場でやっと2%強。グローバルでは圏外レベル。あれだけ広告費用打ってこの状態って大丈夫かしら。

Mobile Vendor Market Share Japan | Statcounter Global Stats

他社でもありがちなのですが、特定サービスに特化したビジネスをしている single issue company と違い、複数サービスを柱にビジネスをしている multi issue company って上手く組織や人事評価を作らないと上手く動かなくなるんですよね。Google の場合、広告ビジネス(Google 検索/Ad と YouTube Ad) のユーザーや市場は企業の広告を打つ人たちですし、Chrome Book は安価PC、Pixel は Middle and/or High end スマホGCP は開発者 and/or 企業のシステム部門、とそれぞれのビジネスの想定ユーザーもターゲット市場もバラバラで、売りが立つまでのプロセスもリードタイムもバラバラです。広告ビジネスが強すぎるので、同レベルの成果を求められると Chrome Book ビジネスには無理ゲーですし、consumption business の GCP と売り切りの Pixel もビジネスとして完全に別物でしょう。それぞれのビジネスに親和性がないことも問題です。強いて言うと、Google 検索・YouTube のプラットフォームとして GCP (= 自社データセンター) が使えるところくらい? このちぐはぐ感を何とかしないと Google の今後の見通しは明るくならないと思ってます。

とは言いつつも、Google 発祥の優れた技術は色々とあります。具体的には直近では Kubernetes であったり、Big Query だったりします。しかし、k8s も CNCF に渡してしまいましたし、Big Query もマネタイズできているか、というと期待しているほどではない。Google の Engineering team には企業当初の崇高なミッションと、技術に対する真摯な姿勢が残っていますが、作り上げて外に放出し貢献するという状態になっていて、GCP 他の自社ビジネスに上手くいかせているかというとそうでもない。GCP Anthos も内容やビジョンは素晴らしいと思うんですけど、人やリソースの張り方を見てもそこまでやる気があるように見えないですよね...。IBM ( RedHat) に分散クラウドなる言葉でビジョン横取りされてる感がありますし。ここら辺のちぐはぐは究極には経営トップの方向性の問題なような気もしなくはないです。

Web1/Web2/Web3 と個別定義したがっている層がいるが、その変化はリニアに進むもので、明確に切り分けられるものではない

スターリンが大粛清を始めたのが59歳、毛沢東文化大革命を始めたのが73歳、若い頃にしかできない思い切った決断というのもあるけれど、高齢になって決断力があらぬ方向に先鋭化する事象もあるのだろうか。何にせよ、可能な限り被害者が少なく決着してくれることを祈るばかり。

さてさて、最近、以下の記事を読みました。

Web3への道:先駆者だった日本がガラパゴス化した理由 中編:インターネット利用の変化を読めず「電話」に固執(1/4) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)

全体的にはふーんというくらいの内容、というか、IT業界ウォッチャーなら既知の内容が多かったのですが、気になったのが以下の部分。

>Web3は分散コンピューティングが主流になるといわれています。ということはWeb3.5はモバイルによって分散コンピューティング環境が構築できるということになるのです。

この人の中での分散コンピューティングは何なんだろう?というのが理解できなかったわけです。集約したリソースで一元的に処理を行うのではなくて、より広範囲で分散した処理を行うのが分散コンピューティングであって、Web x モバイル x 分散コンピューティング環境、と言われても??モバイルで分散処理はまだ理解できなくはないですが、Web というのは? どうもこの人と僕とでは Web の定義が異なるに違いない、ということまでは分かるのですが。

更に言うと、Web3 という単語でググると色々な情報が出てきますが、それもまた分からない。静的 Web を Web1 と定義し、動的 Web とモバイルブラウジング + アプリの世界観を Web2 と定義づけるのまでは理解できます。しかし、その先の Web3 とはという解説になった瞬間に、GAFAM というプラットフォーマーが絶対悪で、それから逃れた世界が Web3 であり、そのための要素がブロックチェーンと NFT である、という言葉が続くんですよね。いや、意味が分からない。ブロックチェーンというのは極論は分散台帳をインターネットでより広範囲に実現したものですし、NFT はもはや投機対象になっていて、クリエイター保護や知財保護の役には立っていないように見えます。それらが次世代の Web だ、と言われましても...。

まぁ、強いていうなら Tor みたいなものも昔と比較して広く知られ使われるようになりましたし、クラウドベンダーが成長し、ビジネスが成熟することで一般の個人ユーザーが個人の領域で享受できる範疇も広がってきているので、Web 含むコンピューティング資産が各個人に揺り戻しが来ているとはいえると思います。ただ、それが誰もがスマホを使っているのと同じレベルで発生するかと言えば違う気がしますし、ブロックチェーンで何かやるにしても、それを管理するプラットフォームが誰もが簡単に使えるレベルで実装されないと使われないと思うので、それはプラットフォーマーの世代交代が発生するだけなんちゃうんかな、と思う次第。

結論としては、Web### みたいな定義はマーケ屋さんかオンラインサロン屋さんの営業ツールだと思うので、眉に唾塗って取り扱った方が良いかなーと。いつにもましてとりとめもない内容ですが、今日のところはこんな感じで。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶというが、歴史から学ぶには必要となる労力が大きいのが問題だ

  • ロシアが戦争を始めた。ロシア-ウクライナの解説をしている専門家が多数テレビ等に出ているが、言っていることがバラバラな部分が散見される
  • 恐らくは解説を端的にしようとしているのだと推察するが、過去の経緯も踏まえるとミスリードしてしまっているのではないかなと思う。
  • 一方で、正確に説明するために歴史的経緯から解説していくと、時間も足りなければ、情報を受信する側に求めるものも多くなるので難しそうだ。

2022年にもなって、大国による侵略戦争が始まってしまいました。正義の反対は悪ではなく、異なる正義であるという言葉の通り、どちらにも言い分がある状態ではあるものの、力に訴える行為を取ってしまったことは間違いと断言できるでしょう。最終的な判断は後世の歴史家が下すことになるでしょうけど、この先の歴史年表にかかれる内容がどこまで膨らむことになるかは予断を許さない状態。

ところで、個人的に現状で非常に気になっているのが、"ロシア関連専門家" の方々の解説の諸々です。ロシア語で情報収集し、ロシア発信の内容が一次ソースになっている情報を基に説明しているからだとは思いますが、無意識でしょうけど、ロシアのプロパガンダを広める一助になってしまっているところは問題ではないでしょうか。特に問題だと思うのが、ウクライナの東部は新ロシア勢力やロシアに近しい人々が住んでいて、ウクライナ西部と言葉や文化も違い対立している、という解説。今、現在を切り取ってみればその説明でも良いかもしれませんが、なぜそうなったか、が説明されている場をテレビで見た記憶がありません。確かに今は東部に新ロシア勢力が多いかもしれませんが、その理由は自然なものではないです。旧ソ連時代にクリミア・タタール人強制移住や弾圧があり、空いた土地に中央から入植させたので、今は新ロシア勢力が多いのです。クリミア・タタール人に対する弾圧はジェノサイド相当とされています。この点、説明なしで東部は親ロシアって断言して良いもんですかね?

また、全体の流れについてもソ連崩壊後もNATOが東進していることをロシア側が問題視していることや、それに関連する交渉の経緯についても深堀すると、西欧側ももう少し何とかできなかったのかと思うところも出てきますし、現状でも SWIFT 排除に関しても一枚岩になれていないことを突っ込んだ解説 = エネルギー供給のロシア依存に関する状況になった経緯についても色々と解説すべきところはあるように思うのですが、まぁ、なかなかどうして、そういった歴史的側面も含めた解説は、受け取る側にも多くのリソースを要求するので、テレビというフォーマットでは難しいんだろうなぁ、と。

今はネットで言語問わずに様々な情報ソースに触れられる時代なので、ちょっと疑問に思ったら自分でちゃんと調べるようにしておきたいもんだなぁ、と思いつつ、可能な限り犠牲者が少なく、事態が収拾されることを祈っております。自分個人にできることはほとんど何もないので、Keep Calm and Carry On. でいくしかないですね。