TAKST の雑念所

週2は何かを書くということを目的に、思いついたことを何か書きます。

挑戦が賞賛される環境でこそ未来が切り拓かれる、ただ、正しい "挑戦" と無謀の判断は熟練者でなければ難しい

  • 女子ビッグエアで岩淵選手が3本目にトリプルコークに挑んだことと、それを見て他参加者や関係者が興奮しなが賞賛していた光景が素晴らしかった
  • 皆が競技の本質に集中し、お互いの挑戦を認める状況というのが理想だと思う
  • 皆が挑戦してこそ次のフロンティアが開拓されるとは思うが、"今行う価値がある挑戦" と "ただの無茶・無謀" の判断が難しいなぁ、という感想

羽生選手の4回転Aもそうなのですが、難しい挑戦を行い、それが賞賛される状態というのは望ましいなぁ、と。 特にスノーボードの各種競技は参加者・関係者がその賞賛を前面に出すので挑戦が上手くいかず結果に結びつかずとも、挑戦した側は挑戦したことを誇れるんじゃないかな、と思うわけです。個人的な経験を思い返してみると、アメリカの文化なのか、US のメンバーはどんな変な挑戦であっても、挑戦することに価値があると認め、結果が伴わずとも、そこから得られた経験や学びを拾おうとする姿勢が強い傾向があります。日本人は失敗を嫌うという話はもはや語られつくした感がありますが、それをどこまで一般化するかは微妙だな、とも思いつつ、ちょっとした失敗と信頼の喪失とが一緒くたになって扱われることが多いのは問題だと思います。正しい挑戦は失敗したところで信頼を損なうことはないんですよね。やるべき挑戦は失敗してもそこから次に備えるための要素を拾うことで、むしろ信頼は増えるはずなんです。上手い挑戦の仕方、上手い失敗の仕方を学ぶ機会が少ないのが、多くの日本人が育つ過程での一番の問題だったりするんじゃないかな、と。

また、挑戦って一言にまとめてしまうのは難しくて、正しい挑戦って本当に難しいと思うのです。"チャレンジ" という言葉に丸めて不正会計をやらかした企業を例に出すまでもなく、「リスクを取ってイノベーションを」と口ばかり言う多数の人々を振り返る必要すらなく、上手い挑戦・上手い失敗って難しいんです。そして、これまた重要なのが、挑戦の仕方・失敗の仕方にも経験が要るんですよね。どんな領域・どんなトピックであっても挑戦してみないと、やってみたことが無謀だったのか、簡単すぎたのかというところは分からないですし、挑戦を重ねないと、目標設定や退くタイミングの見極め、リカバリーの仕方の質って上がらない。更に言うと、他のスポーツや楽器等と同じで、無駄に数を重ねても質は向上しないんですよね。無謀なことを山ほどやっても上手くなるわけじゃない。結局のところ、一番重要なのはポストモーテムというか、失敗の振り返り・分析なんだろうなぁ、と。そういう意味で、日本企業のダメな傾向は、失敗を失敗として切り捨てることに加えて、失敗した内容を深堀して次に活かそうとすることがそう多くないことにあるのかもしれません。重ねて言うと、戦後の日本企業に多くの傑出した企業が出てきたのは、社会構造が崩れて、若いうちから色々なことを試して失敗するチャンスが多くの人にあったからだったりするんだろうなぁ、とも。

ということで、いつも以上に思ったことを適当に書くだけになってしまいましたが、自分自身、色々と挑戦しつつ、何がなぜうまくいかなかったかをちゃんと考えるようにしたいと思います。