TAKST の雑念所

週2は何かを書くということを目的に、思いついたことを何か書きます。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶというが、歴史から学ぶには必要となる労力が大きいのが問題だ

  • ロシアが戦争を始めた。ロシア-ウクライナの解説をしている専門家が多数テレビ等に出ているが、言っていることがバラバラな部分が散見される
  • 恐らくは解説を端的にしようとしているのだと推察するが、過去の経緯も踏まえるとミスリードしてしまっているのではないかなと思う。
  • 一方で、正確に説明するために歴史的経緯から解説していくと、時間も足りなければ、情報を受信する側に求めるものも多くなるので難しそうだ。

2022年にもなって、大国による侵略戦争が始まってしまいました。正義の反対は悪ではなく、異なる正義であるという言葉の通り、どちらにも言い分がある状態ではあるものの、力に訴える行為を取ってしまったことは間違いと断言できるでしょう。最終的な判断は後世の歴史家が下すことになるでしょうけど、この先の歴史年表にかかれる内容がどこまで膨らむことになるかは予断を許さない状態。

ところで、個人的に現状で非常に気になっているのが、"ロシア関連専門家" の方々の解説の諸々です。ロシア語で情報収集し、ロシア発信の内容が一次ソースになっている情報を基に説明しているからだとは思いますが、無意識でしょうけど、ロシアのプロパガンダを広める一助になってしまっているところは問題ではないでしょうか。特に問題だと思うのが、ウクライナの東部は新ロシア勢力やロシアに近しい人々が住んでいて、ウクライナ西部と言葉や文化も違い対立している、という解説。今、現在を切り取ってみればその説明でも良いかもしれませんが、なぜそうなったか、が説明されている場をテレビで見た記憶がありません。確かに今は東部に新ロシア勢力が多いかもしれませんが、その理由は自然なものではないです。旧ソ連時代にクリミア・タタール人強制移住や弾圧があり、空いた土地に中央から入植させたので、今は新ロシア勢力が多いのです。クリミア・タタール人に対する弾圧はジェノサイド相当とされています。この点、説明なしで東部は親ロシアって断言して良いもんですかね?

また、全体の流れについてもソ連崩壊後もNATOが東進していることをロシア側が問題視していることや、それに関連する交渉の経緯についても深堀すると、西欧側ももう少し何とかできなかったのかと思うところも出てきますし、現状でも SWIFT 排除に関しても一枚岩になれていないことを突っ込んだ解説 = エネルギー供給のロシア依存に関する状況になった経緯についても色々と解説すべきところはあるように思うのですが、まぁ、なかなかどうして、そういった歴史的側面も含めた解説は、受け取る側にも多くのリソースを要求するので、テレビというフォーマットでは難しいんだろうなぁ、と。

今はネットで言語問わずに様々な情報ソースに触れられる時代なので、ちょっと疑問に思ったら自分でちゃんと調べるようにしておきたいもんだなぁ、と思いつつ、可能な限り犠牲者が少なく、事態が収拾されることを祈っております。自分個人にできることはほとんど何もないので、Keep Calm and Carry On. でいくしかないですね。