TAKST の雑念所

週2は何かを書くということを目的に、思いついたことを何か書きます。

専門家と一口に言ってもその専門家度合にも差があり、その深さを把握できるのは同じ領域の中程度以上の専門家に限られる

書き方が徐々にテンプレ化されてきた気がする。ラノベばりに投稿のタイトルを長くして、書きたい結論を書いてしまう。そして、いつも通り次に要約を箇条書きでまとめようと思う。

  • テレビやWeb等のメディア媒体を問わず、様々なところにその道の "専門家" がその専門トピックを解説していることは多々あるが、本当にその "専門家" が Top of Top とは限らない
  • 一概に専門家といってもその領域で生計を立てているだけの人と、その領域の最先端を走っている人、更にはその領域事態を作り上げたような人までいるわけで、その専門家が述べる内容の信頼性は確かであるとは限らない
  • その "専門家" が「完璧に理解した」レベルなのか「チョットワカル」レベルなのかは専門外の人間には判断できない。少なくとも同じ領域の中程度以上の専門性を持った人間でなければ無理。

さて、ということでここからは思いつくままに書いてみようと思います。自分で書くのもなんですが、本来の自身のビジネス領域では日本国内ではかなり深く知見も持ってますし、一部領域では最先端と言ってよい仕事をしております。まぁ、今、そのような仕事ができているのも、運とめぐり合わせが半分なので、それ自体を自慢しようという気はサラサラないです。で、この状況の副産物として、様々なところで専門家・プロフェッショナルを事象している方々の情報の怪しさや、間違い具合、更に言うと 2ch/5ch の自称専門家の程度の低さに気づくようになってしまった、という点があります。いや、マジで皆、ドヤ顔でフェイク情報垂れ流しまくりなんですよ。そして恐らく、本人はそれがフェイクであるという自覚がない。

直近でわかりやすいところでいえば、新型コロナウイルス周りの情報は分かりやすいでしょうか。特に今回のパンデミック初期にはそのような言説も Web 上で取りざたされてましたが、本当の最先端中の最先端、ないしはエース中のエースと呼ばれる専門家は一番困難な問題解決や何らかの対応に追われるので、Web への情報発信はもちろん、テレビ番組に生出演するようなことはできないはずなんですよ。もちろん、中には感染症病棟の悲惨な状況を伝えることで、世の中に注意を促そうとされていた、本当の現場の最先端から極めた多忙の中でも情報発信を試みていた方々がいらっしゃることは認識してますし、その取り組みには敬意を表します。そういったものではなく、ウイルス学や感染症学の専門家とされる人々の中でも実績が怪しいのに、やたらとテレビに出ている人たちっていましたよね。素人からすると、専門家がそう断言するなら、そうなのかもなぁ、と思ってしまうことを発信されてましたが、眉唾物だと思うわけです。

本職の方での実例を書くと無意味に特定されそうなので、趣味側の方、テニスで例を挙げます。ちなみに、趣味のテニスも無駄に知識は深いので、そこら辺のコーチやプロショップ店員と会話しても中程度くらいには相当すると思います。無駄に英語圏スペイン語圏の情報まで漁ってたりするので。流石に Wilson のシカゴの人とかには勝てっこないとは自覚してますが。

槍玉にあげたい情報はこちら、「ロジャー・フェデラーのグリップサイズは2」です。この情報、日本語の Web ではまことしやかに語られており、テニヲタを見分ける情報の一つになっておりまして、オンライン・オフライン問わず、ドヤ側で語る人が多数確認できます。しかし、この情報のソースって以下のブログしか見当たらないんですよね。

ロジャーフェデラーはグリップ2 | ギア | TENNIS.jp テニス ドット ジェイピー

英語で調べると、4 3/8 だという情報しか出てきません。日本でいうグリップサイズ3の英語圏表記です。

Is Federer's grip size really 4 3/8? | Talk Tennis (tennis-warehouse.com)

グリップ2(4 1/4) という情報が他ソースから一切出てこない。一応、英語圏でもなんで小さ目のグリップサイズなんだ?という扱いではあります。(日本では男性は3の方が標準寄り、と言いつつ2が多い。英語圏では3でも小さい、4以上が多い。) さらにはこのブログの中でもジャパンオープンの会場で真偽を確認しました、という文章しかない。ラケットの実物の画像 (まぁ、プロストックなんて記載フェイクも多いので画像も証拠にならんのですが) もなく、文章での言及だけ。ちなみに、英語圏で色々と探すと、実利用のパーソナルスペックラケットがオークションで売られていたりもしますが、そちらもグリップ3ベースのカスタマイズという情報が主です。 

ATP 大会の運営にかかわることが出来るテニスコーチ、くらいには専門家かもしれませんが、そこまで深い専門性があるわけではない、という例と言えるのではないかな、と。

ということで、結論としては、"専門家" という属性に惑わされずにしっかり自分で考えて、可能なら調べて重要なことは判断した方がよいですよねーという話でした。最近はウクライナ情勢やコロナの話題あたりで怪しい情報が多すぎると思います。